「教科書を読んでるのに全然問題が解けない」
「教科書を何回も読んだのに、テストになると解けない、できない」
「何回も読んだし、大事なところにはアンダーラインも引いた、でも、解けない」
よくある話ですが、どうしてこうなるんでしょうか?
これは、勉強に対する誤解が原因だと筆者は考えています。
勉強への誤解、つまりは、勉強して頭に入れる「インプット」段階の誤解です。
Contents
勉強は、インプットとアウトプット
勉強は、「新しいことを消化、吸収するステップ」と「頭の中から自分で言葉を出すステップ」、大きく分けてこの2つに分かれます。
前者がインプット、後者がアウトプットです。
でも、これだけだとパッと見、
インプット・・・授業を受けたり教科書を読んだりすること
アウトプット・・・ノートに書いたり問題を解いたりすること
という風に見えるかもしれません。
でも、成果を出すための勉強のやり方として考えたとき、これじゃダメなんです。
成果を出すためのインプット法
勉強で成果を出すためには、学んだことを頭に入れていかないといけません。
「頭に入れるって、教科書を読むってことじゃないの?」
「それがインプットじゃなかったら何がインプットなの?」
と思われるかもしれません。
しかし、ただ見るだけ、聞くだけ、読むだけというのは、インプットではありません。
それで覚えられるならいいんですが、普通覚えられないですよね。覚えられてないってことは、脳に入ってきてない。
脳に入ってきてないってことは、インプットできてないんです。
インプットは、消化し、吸収すること
目で見た情報、耳で聞いた情報は、そのままでは覚えられません。全てを一字一句覚えるのは不可能です。
ですから、覚えるということは、その情報を丸々暗記するのではなく、自分で解釈してから脳に格納しています。習ったことを自分で噛み砕いて考え(消化)、そして脳に吸収していく。これがインプットです。
だから、覚える(=インプットする)ためには、自分の頭で考える・消化するという段階が必要です。頭で考えずにインプットはできません。
消化吸収すること=インプットです。
脳への刺激を意識する
覚えるということは、脳にその情報を入れないといけないわけです。ですから、必然的に、覚える=脳を使う、ということになります。
脳を使わずに覚えられるわけがないんです。
考えてみると当然のことなんですが、意識されてないことが多いです。
効率よく覚えようとするなら、いかに脳をうまく使うか、脳に刺激を与えられるか、を意識しましょう。
(余談ですが、勉強のやり方を知りたい!と言いながら、頭を使わずに覚えられる方法を求めている人をよく目にしますが、そんな都合のいい裏技みたいなものはありません。通信教材で記憶術でさえ、脳への刺激を重視)
脳への刺激がない=成果ゼロ
教科書をただ読んでも覚えられないのは、脳に刺激が与えられてないからです。むしろ、勉強のときは、なるべく脳を使わず読んでいることが多いのではないでしょうか。
漫画や好きな小説を読むときは、ワクワクしながら、次どうなるんだろうとか、頭を使って読むんですが、これが教科書となると、眠ってしまうんですよね。つまりは、脳が働いてない、頭が回ってない状態です。これじゃ覚えられません。
大事なところにアンダーラインを引くことで、少しは考えて、頭を回しているでしょうけど、やはり少しです。大して回ってません。
いいインプット、アウトプットの例
「教科書を読んで、それを自分の言葉でノートにまとめる。」
自分の言葉でまとめるためには、言葉を紡ぎ出すために十分な読み込みが必要です。
「英語の文章を自分の言葉で和訳する。」
和訳は良質のアウトプットです。すごい頭を使いますよね。
よくないインプット&アウトプットの例
「教科書を読むだけ、アンダーラインを引くだけ」
自分で考えて消化吸収するというステップがないので、頭に入りません。
「漢字を覚えようと、同じ漢字を何回も書き写す」
自分の言葉で考えてないから、脳に刺激がいってません。
よくない方は、勉強の定番ともいえるやり方で、誰しもがやったことがあると思います。
しかし、どちらも消化吸収されるようなやり方ではありません。自分の頭で考えてない以上、覚えられないのも当然です。
しかし、ちょっとした工夫をすることで、同じような作業でも、成果を上げることができるようになります。
漢字を覚えるコツ
小学校などで、漢字を5回ずつ書く、みたいな宿題を出された人が多いと思います。
宿題だからやらないといけないんですが、しかしこれは、考えてみるとすごい無駄なことです。
漢字を覚えるのは頭です。筋肉が覚えるわけではありません。脳に刺激を与えてない以上、何百回書いても覚えられません。覚えるために必要なのは書く回数ではありません。脳に刺激さえ与えられれば、1回で覚えられます。
つまり、脳にどうやって刺激を与えるか、がポイントです。1回で覚えるためには、漢字をよく見て、自分なりに脳に刺激を与えるのがコツです。
例えば、「尋」という漢字。尋ねる、尋常などの言葉があります。
この漢字は、よく見ると上から「ヨ」「エ」「ロ」「寸」という風に分解できます。つまり、「よえろすん」。「尋ねるは、よえろすん」という変な言葉を自分で導き出すことで、覚えやすくなり、書けるようになります。
覚え方は人それぞれなので、これはあくまで一例ですが、変な関連付けをすると脳に刺激が与えられ、覚えやすくなります。
絶対に写さない
また、漢字を書く際は、絶対に写さないことです。写すことでは覚えられません。写経でお経は覚えられないですよね。頭で考えるということを経てないんだから、当然です。
漢字をよく見て特徴を掴み、自分なりの解釈をする(インプット)
手本・答えを見ずに、漢字を書く(アウトプット)
これができれば、漢字を何回も書く必要はありません。
インプットの効率を上げることがアウトプット(成果)の向上に繋がる
教科書を読むにしても、人によって読み方、読む深さが異なります。これはどんな意味なんだろう、どうしてこうなるんだろう、という「消化」をすることでインプットになります。
分からないけどとりあえず読んでみた、というだけでは、自分なりの噛み砕き、消化ができていません。それではインプットになりません。
インプットできないやり方で勉強していても、解けるわけないですよね。
良質なインプットがあって初めて、アウトプットができる
インプットした情報・知識を基に、問題を解いてみたり他人に説明したりするわけですが、ここでまた頭を使います。脳に刺激が加わります。問題を解く際は、インプットの時以上に頭を使います。
なので、勉強はインプット(見聞きして考える)よりもアウトプット(考えて解く、言葉にする)の方が大事です。
考えて解く、言葉にするためには、良質なインプットが不可欠です。
他人に説明するときは頭を使う
勉強したものを、改めて他人に教えたり説明するのって、難しいですよね。
習ったばかりのことなのに、自分の言葉で説明しようとすると、難しいんです。
他人に説明するためには、新しく得た情報を消化吸収して自分のものにしてから、自分の言葉で説明しなければなりません。
それに比べると、教科書読んだりアンダーライン引くくらいってのは、全然回したうちに入りませんよね。
読んで脳に入れてるつもりでしょうけど、脳は全然刺激されてないんです。
勉強するときは、脳に刺激を与えることを意識していくことで、無駄が省け、効率が上がります。
勉強の効率を上げるコツ
勉強時間を短く、効率よくするためには、勉強時間の全てを、脳に刺激を与える時間にしてしまうことです。
そうは言っても、何したら効率がよくなるか分からない、という声も多いでしょう。
手っ取り早いのは、単純に写すという時間をなくすこと。これだけで、大きく効率は上がります。
同じことをやるにしても、時間が短くなれば、その分だけ効率は上がりますよね。
効率を上げるなんてのは、決して難しいことをやろうというわけじゃないんです。それくらいの簡単なところから始めていきましょう。
教科書やノートは、きれいじゃなくてもいい
例えば、英文を和訳するために、わざわざ元の英文を一通り書く必要はありません。この時の「書く」は「写す」ですからね。
たとえ写すだけであっても、書くのって結構時間がかかります。効率を考えたら、こんな作業はカットして当然です。
頭を使う部分、つまり、英文を「自分で和訳を書く」だけに時間を注ぐことです。
筆者の場合は、テキストに小さい字で直接書き込んでいました。今だったら、家庭にプリンターも多いので、プリントアウトしてノートに貼り付けて、っていうやり方でもいいかもしれませんが、ノートに和訳を書き込むのも、テキストに直接書き込むのも、成果は一緒です。だったら、効率いい方がいいでよね。
テキストやノートはきれいに越したことはありませんが、それが点数になるわけではありません。ノートをきれいに作ったり、テキストをきれいに使ってもいいですけど、それで点数が取れなかったら本末転倒。
どうせ自分のテキストとかノートなんか他の人は見ないんですから、見た目は後回し。自分の効率をベストにするために使い倒したらいいんですよ。どうせ、来年はもうそのテキスト使わないんだし。使い倒さない方が損です。
そうやって、インプット・アウトプットの質を高めていけば、成果に繋がります。