一夜漬けの効果はどれくらい? 成果を上げるコツと勉強法

テスト直前の駆け込み勉強の定番、一夜漬け。誰もがやったことがあると思います。

一夜漬けを成功させるためには、まずは一夜漬けの特徴を掴んでおかないといけません。

一夜漬けの特徴

一夜漬けは、まず時間が限られています。時間がありません。

なので、限られた時間の中で、いかに効率よくやるかがポイントです。

一夜漬けを成功させるためには、次の日もセットで考えよう

一夜漬けは、実は夜だけでは終わりません。一夜漬け明けの、次の日のテストまでの時間の使い方が重要です。勉強に使える時間は夜だけではありませんからね。

よく、テスト前に教科書を見直したり、問題をやってみたりしますよね。

でも、テキストを読み直すのって、どれくらい効果があるんでしょう。なんとなく読んで、できるつもりになっていませんか?

一夜漬けするなら、この時間を活用する前提でやりましょう。

効率を上げるために、できるところはやらない

一夜漬けは効率がほんとに重要です。

効率ってどうやって上げるの?と思われるかもしれませんが、答えは簡単です。

効率よくやるために、自分ができるところはやらない。これです。できないところだけをやるべきです。

例えば、「1+1」なんてのは、いちいち勉強しなくてもできますよね。できるものは、わざわざやらなくてもいいんです。できる問題をもう一回やるなんてのは時間の無駄です。そんな問題は、どうせ本番でも解けます。

自分にとっての「1+1」がどれなのか、できるできないを見分けて、できない問題だけをやりましょう。

できるできないの見分けやすい勉強をすることが、一夜漬けのコツです。(一夜漬けに限った話ではないんですけどね。)

一夜漬けの成功のコツは、復習・再チェックのしやすさ

一夜漬けでどこまで習得できたのか、気になりますよね。

そのチェックのために、翌日になって教科書を読んだり問題をやったりするんですけど、ただ読むだけ、ただやるだけだと、どこまで習得できたのか分かりません。自分はどこが不得意なのか、自分はどこで間違えやすいのか、全く分かりません。

これでは、テスト直前の時間のない中での再チェックにはなりません。範囲全部をチェックするのは不可能です。

時間のない中でのチェックをするなら、自分ができないところ、間違えたところ、苦手なところだけをチェックしないといけません。

後から、間違えたところ・苦手なところをすぐチェックできるような勉強のやり方が、一夜漬けには向いているんです。

苦手なところがすぐチェックできる、裏を返せば、できるようになった部分がハッキリとわかる、ということです。

単語帳のコツ

例えば、単語帳。まず、一夜漬けで単語帳を作ります。

そして、単語帳を順番にやっていくわけですが、ここでポイント。できた問題は、カードを抜いていきます。間違えた問題だけ残します。

これを繰り返すと、自分ができない問題だけが残った単語帳になります。

再チェックの際は、この残ったカードだけを見ればいいんです。

範囲全部をカバーする時間があるならいざ知らず、一夜漬け明けなんてのは時間がないので、効率よくやるためには、このようにチェックする範囲を絞る工夫が重要です。

問題集のコツ

問題集の場合は、できた問題はそのままで、できなかった問題に印をつけます。(逆に、できた問題に印をつける、というのでもいいです。要は、できるのとできなかったのを見分けられればいいんです。)

勉強してできるようになった問題は、2度とやる必要はありません。「1+1」を何回もやるようなもんですからね。

やるなら、できなかった問題だけです。

直前に見直したいときは、印のついた問題(なかなかできなかった問題)だけを見直しましょう。すぐできた問題は、本番でもすぐできる確率が高いですからね。それに時間を費やすのは無駄です。

こうやって、無駄をカットしていくことが、一夜漬け成功のコツです。

忘れるメカニズムを知る

一夜漬けをやる人は、「寝たら忘れるからもったいない」、「直前ギリギリに勉強して、忘れる前にテストに臨みたい」という思いもあるでしょう。

確かに、人間、寝たら忘れます。

正確には、時間の経過とともに、忘れます。

どのように忘れていくか、のグラフとして有名なのが、エビングハウスの忘却曲線です。

エビングハウスの忘却曲線

20分後には、節約率が58%であった。
1時間後には、節約率が44%であった。
1日後には、節約率が26%であった。
1週間後には、節約率が23%であった。
1ヶ月後には、節約率が21%であった。

最初に断っておきますが、厳密には「1日後には26%を忘れる」という意味ではありません。覚えている量という意味で紹介されることが多いのですが、そーゆー意味のグラフではありません。覚えている量ではなく、再度覚えるのにかかる時間をどう節約できたか、というグラフです。

小難しいので詳細は省きますが、ポイントは

  • 最初の20分で急激に忘れる(短期記憶が消える)
  • その後、徐々に忘れていくが、忘れるスピードは緩やかになる
  • 1回でずっと覚えているものもある
  • 前にやったことがあるものは、再度覚えるためにかかる時間は短い(復習の有効性)

ざっくりと、脳の仕組みはこのようなものだとイメージしておきましょう。

7割忘れるけど、3割は覚えている

細かいことはさておき、1日後には、おおよそ7割忘れます。

勉強してもそんなにすぐ忘れるんだったら、勉強しても意味ないじゃん・・・って思うかもしれません。

けど、逆に言うと、残りの3割は、長期記憶としてずっと覚えていることになります。

勉強は無駄にはなりません。

一夜漬けでも覚えることは覚えられるんです。ただ、7割は忘れるかも、という前提でやりましょう。

寝たら忘れてしまうからもったいない?!

寝たら忘れる・・・

けど、寝なくても忘れます。

どちらかと言えば、寝ている間に、脳が今日学んだことを整理してくれるので、寝た方がいいです。

どうしても解けなかった問題が、寝て次の日になったら解けた!ってこともあります。脳をリラックスさせる、休ませる意味でも、睡眠は重要です。

エビングハウスの忘却曲線から考える勉強の質

エビングハウスの忘却曲線は、復習の重要性について利用されることが多いです。が、そりゃ~何回もやれば、そのうち覚えます。

でも、それだと「何回やれば覚えるのか」がわかりません。もちろん、復習というのは大事です。成果に結びつきやすいという点では、予習より復習の方が圧倒的に重要です。が、3回やればいいのか、10回なのか。いつまでやればいいのか、わかりません。

筆者のように、何回も同じところを繰り返しやるのではなく、一発で「できる」領域にする勉強においては、どうやったら一発で3割の領域に入れることができるか、を考えます。

漠然と、10やったうちの7割は忘れて3割は覚える、というものではありません。

脳は、大事ではない7を忘れて3を覚えるのです。だから勉強するときには、今やっていることが3の方に入るように、やらなければいけません。これが質を上げるということです。

質の悪い勉強は、いくらやっても7の方にしか入りません。勉強しても復習しても、なかなか成果が上がらない人は、やったことが7の方に入る勉強法、つまり、忘れる勉強法をやってしまっているんです。

一夜漬け最大の難点は、質

一夜漬けの最大の難点は、勉強の質の確保という点で難しいところです。

朦朧とした状態でいくらテキストを読んでも、頭に入りません。

眠い眠い言いながら問題を解いたところで、既にできる問題は出来たとしても、今までできなかった新しい問題にチャレンジすることは難しいでしょう。

勉強の質を上げるためには、インプット・アウトプットの質を上げることが重要です。

一夜漬けは、疲れているところに無理矢理押し込もうとするので、勉強の質が低くなりがちです。

頭が回る状態か?というと、そうではないでしょう。

無理矢理押し込むだけの一夜漬けは、一夜で済ませないといけない量が決まっていて、大抵それは、ゆっくりやっていては間に合わないものであるため、必然的に、質を犠牲にして量をこなさないといけないわけです。

ここが一番の問題なんですが・・・。量に追われるのは、一夜漬けの宿命です。

質が確保できるなら、一夜漬けでも何でもいい

勉強の質が確保できるなら、深夜だろうが日中だろうが、いつでも関係はありません。夜にやった勉強だからいいとか悪いとかはありません。

勉強は、やりやすい時間にやればいいんです。自分がやりたい時間にやる=頭がリラックスしている状態=勉強の質が高くなる、ってことです。

一夜漬けだとすごい集中できるからいい、という人もいるかもしれません。そんな人には一夜漬けでもいいと思いますし、一夜漬けを毎日することができれば、それはそれですごい成果に繋がるでしょう。

一夜漬けにおいても、コツを挙げるとしたら、とにかくリラックスした状態で臨むこと。追い込んで脳に負担をかけても、それは拒絶を生むだけなので、リラックスして吸収させることが大事です。

一夜漬けの向き不向き

勉強の対象によっては、一夜漬けが向いているものもあります。

一夜漬けが向いている状況

  • 資格試験とかで、試験範囲が狭く、1日だけで十分終わる場合
  • 一回限りの試験で終わり、更新試験などがなく、先のことを考えなくていい場合

単純に、勉強が一日分だけで完結するような場合は、一夜漬けでもいいでしょう。

一夜漬けが向いてない状況

向いている状況以外全部です。

  • 一夜漬けしただけでは試験範囲がカバーできない
  • テストは明日あるけど、その内容は、その先もずっとテストで出てくる(例:受験などにおける、中間・期末試験)

やらないよりはマシだけど、向いているか?と言うと・・・ってことです。

質が確保できるなら、向き不向きはあまり関係ないんですけどね。

まとめ

勉強の質が確保できるのであれば、一夜漬けでも何でもいいです。

質が確保できないのであれば、一夜漬けはちょっと損かもしれません。でも、やらないよりはやった方がマシ。とは言え、どうせやるなら成果に繋げたいところです。

一夜漬けで最大限に成果を出すためには、翌日のテスト前までの時間をセットで考えるのがコツです。単語帳など、翌日にチェックしやすい勉強を行うことで、一夜漬けの効果がどこまであったのか、自分で知ることができます。

成果を見ながら、今後の勉強に生かしていきましょう。

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