「テストの時間が足りなかった、最後までいけなかった。」
よくあります。
しかし、通常、テストというものは制限時間が設定されていて、その制限時間内に全部の問題ができるようにはなっています。
時間が足りないということは、
- 文章題に時間がかかっている
- 計算に時間がかかっている
このどちらかです。
Contents
文章題に時間がかかる場合
文章題に時間がかかるのは、「文章を読んで式に変換する」という部分に時間がかかっていることになります。
これを短くするには、似た文章題を過去に解いている(やったことがある)ことで早くなります。
誰でも、初めて見るパターンの文章題は、時間がかかるものです。
しかし、過去に解いたことのある問題に近いもの、同じ解き方をするものをやったことがあれば、解き方を思いつくまでの時間が短縮され、解くのが早くなります。
もちろん、簡単な問題ばかり解いていてもダメです。じっくり考えて解くような問題じゃないと実力は養われません。問題集で色んなパターンの文章題にチャレンジすることで、自ずと文章題を解く力が養われ、解くスピードが速くなります。
もちろん、本番同様の環境、ノーヒントで取り組むのは言うまでもありません。
実力がない場合も「時間が足りなかった」になりがち
文章題は、そもそも解ける実力がなければ、いくら考えても解けません。
しかし、考えている分、時間は取られるので「時間が足りなかった」という表現になることがしばしばあります。
この場合は、時間が足りない以前に、実力が足りていないだけです。
なので、問題を解こうとする前に、テキストをしっかり読んで、その分野を理解するところから始めましょう。
計算に時間がかかる場合
計算が遅いと言っても、中学や高校の数学では、どんなに難しい計算でも出てくる数字はせいぜい3桁か4桁ぐらい。それぐらいの四則計算なら誰でも計算できますし、そこまで大きな差にはなりません。
ただ、計算が遅い人は、計算をできるだけ簡単にする、という意識があまりないように思います。「簡単にする=楽にする」ってことです。
例えば、
xの値を求めよ
1000x=500x+35000
という問題があったとします。
これは、
1000x=500x+35000
1000x-500x=35000
500x=35000
x=70
という解き方をすることが多いように思います。
答えはちゃんと出るので、間違いではないです。むしろ正解です。
一方、計算が早い人は
1000x=500x+35000
10x=5x+350
5x=350
x=70
という解き方をします。
後者は、先に各項の0を2個カット(両辺を100で割る)して、数字を小さくしてから計算しています。
計算問題なので、どんな解き方をしても同じ答えが出るんですが、計算が早い人は、計算する数字を極力小さくしてから計算することを意識しています。
コツ1 数字を小さくする
計算は、桁数が大きくなればなるほど、難しくなり、時間がかかります。
例えば、分数の問題。
100+2000+300
――――――――――――
100
これを約分するとき、先に分子を計算し、最後に分母の100で割る、というやり方でも計算はできます。
100+2000+300=2400
2400÷100=24
というような計算です。
が、早い人は、分母の100から先に取ってしまいます。
1+20+3
――――――
11+20+3=24
こうすることで、計算する数字が小さくなります。
元々は4桁の足し算引き算だったのが、2桁の足し算引き算になります。4桁の計算より2桁の計算の方が簡単ですし、早くできます。
計算が早い人は、計算自体の早さもあるかとは思いますが、桁数の大きいまま計算するのを避け、できるだけ小さい数にしてから計算し、計算の回数も最小限にしようと考えているから早いんです。
大きい数字のまま計算するより、ひと手間加えて数字を小さくした方が計算が楽=早い、ということです。
コツ2 組み合わせで数字を簡単にする
例えば、
115+96
これを計算するとします。
普通にひっ算すれば誰でも解けるんですが、これも数字を簡単にすることで、暗算しやすくすることができます。
ヒント1:100を作る
115+96
=(111+4)+96
=111+100
=211
115から4を借りて、96を100にしてしまいます。
115+96だと、そのまま暗算すると繰り上がりがあるのでちょっと難しいですが、111+100なら簡単でしょ?
こうやって計算自体を簡単にしてしまうことで、暗算しやすくなり、計算ミスも減らせます。
ヒント2:組み合わせて10を作る
5+4+3+4+3
という問題。
何の変哲もない、ただの足し算なので、頭から順番に足していくことで解けます。
しかしこれも一工夫すると、もっと簡単になります。
5+4+3+4+3
=5+4+(3+4+3)
=5+4+10
=19
後ろの3+4+3を先に10にしてしまうことで、計算が一気に簡単になります。
暗算は、繰り上がり・繰り下がりの計算が入ると、ミスりやすくなります。なので、極力それをしないで済むよう、簡単な計算で済むよう、数字を簡単にしていきます。
10は、5+5、4+4+2、3+3+4、1+2+3+4などの組み合わせで作ることができます。これを意識してまとめることで、頭から順番に計算するよりも、ミスなく早く暗算しやすくなります。
コツ3 九九を少し広げる
九九は皆さん暗記していると思いますが、その暗記している枠を、ちょっと増やすと、その分だけ早くなります。たくさん覚えるとでも言いますか。
と言っても、11の段とか12の段を覚えるというのではありません。2乗となる数をいくつか知っておくだけです。
10×10、11×11・・・16×16ぐらいまで知っていると得します。17~19はそんなに出ないのですが、20×20は知っていた方がいいですね。
具体的には、以下の数字です。(太字は出やすい数字)
10×10=100
11×11=121
12×12=144
13×13=169
14×14=196
15×15=225
16×16=256
20×20=400
2乗の計算やルートが試験範囲になってくると、大体これぐらいまでは知っておいた方がいいです。
これを知っていると、「ルート100=10」、「ルート144=12」みたいなのが、素因数分解しなくてもできるようになるので、早くなります。
特に12、13は、直角三角形の三平方の定理において、5:12:13の直角三角形として出てくるので、13の2乗までは知っておいた方がいいです。
三平方の定理
(13の2乗)=(12の2乗)+(5の2乗)
余談ですが、256は昔のファミコンとかでよく見た数字なので、昔のゲームが好きな人なら馴染みの数字かもしれませんね。
計算問題で迷う人は、要復習
文章題は「どうやって解こうかな?」とやり方を考えたり迷ったりするものですが、計算問題は「どうやって解こう」って考える必要のないものです。
上記のコツのように「どうやって計算を簡単にしようか」ということは考えますが、計算自体は、ただ機械的に、移項したり両辺に何かを掛け算割り算したりして、式を簡単にしていくだけです。
最短の手順で解くのがベストですが、多少回り道しても、計算が進んでいけば正解に近づくので、解けます。
しかし例えば、分数が苦手な人は、そこに分数が出てきた瞬間、「これは通分するのか?約分するのか?」と迷ってしまいます。本来なら迷う必要がないのに、なぜか違うことを考えてしまい、その結果、違う答えが出てしまいます。つまり、間違える。できないということです。間違える、できないってことは、実力が足りてないことです。
計算で迷う人は、そこが苦手な分野ということ。要復習です。