勉強法として有名な単語帳。有名な割には、実際に作ったことのある人ってのは少ないかもしれませんが、単語帳を作れば、やはり効果はあります。
単語帳は、作った後に何回もその単語帳をやって覚える、みたいなイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。
Contents
単語帳の効果、メリット
- 英語の単語を覚えるのに適している
- 英単語の他、地理・歴史などの社会にも使える
- 単語帳を作るときに、脳にインプット・アウトプットを行うので、覚えられる可能性が高い
- 繰り返し使うことができ、間違えた問題もすぐ再度チャレンジできる
単語帳のデメリット
- 単語帳を作るのに時間がかかる
- かさばる
- 作った時点である程度覚えているので、すぐに不要になる
- 単語帳を用意しないといけないし、お金がかかる
- 問題文を写すだけの作り方をすると、効果が低い
- 他人の作った単語帳をやっても効果はそこまで高くならない
単語帳の作り方のコツ
単語帳は、ただ作ればいいというものではありません。作り方によっては、成果に大きく差が出ます。
とは言え、英単語の単語帳を作る場合は、特にコツみたいなものはありません。表に英単語、裏に意味を書くだけになります。英語の単語帳の場合は、何の変哲もない、ごく普通の単語帳になります。
強いてコツを挙げるとしたら、単語だけでなく熟語のシートも作るぐらいです。熟語の方が問われる確率は高いですからね。
しかし、英語以外の単語帳(社会、歴史の単語帳)の場合は、作り方によって成果にかなり差がつくので、コツを押さえておきましょう。
両面からできるように作る
単語帳は、表に問題文、裏に答えを書く・・・と思っていませんか?
それだと、めちゃくちゃ効率が悪い単語帳になってしまうんです。
例えば、歴史の単語帳を作るとして、
表「聖徳太子が制定した役人の心得は何か?」
裏「十七条の憲法」
表に問題を書き、裏に答えを書く。
普通です。ごく普通の単語帳です。これの何が悪いの?と思うかもしれません。
が、これだと片面からしか使えません。
単語帳は、作り方を工夫すれば、裏面からも使えるんです。と言うより、裏面からも使えるようにしないとダメです。
実際にテストで問われるのは、上の設問のように十七条の憲法を問うものかもしれませんが、逆に「十七条の憲法を制定したのは誰?」と聖徳太子の方を聞かれるときもあります。
どちらが聞かれるかわからないので、本番で点を取るためには、両方から解けるようにしておかないといけません。
なので、
表「聖徳太子が制定した役人の心得」
裏「十七条の憲法」
にすれば、裏からも使いやすくなりますし、単語帳に書く文字数も減らせるので作る時間を短縮できます。
自分で作った単語帳であれば、「○○とは何か?」まで書かなくても「○○」って書いてあれば、そこで何を答えるべきかはわかりますからね。後は連想ゲームです。
進化形
聖徳太子は、他にも色々やってますよね。冠位十二階とか、遣隋使とか。
なので、それらもカバーするようにして、作り方を進化させると、こうなります。
表「聖徳太子」
裏「冠位十二階、十七条の憲法、遣隋使、法隆寺」
にしてしまいます。
「聖徳太子」というキーワードだけで、答えを「冠位十二階、十七条の憲法、遣隋使、法隆寺」までしてしまうんです。
こんなのは作った本人しか解けないような問題になってしまうんですが、そもそも単語帳なんて作った本人しか使いませんから、これでいいんです。
書くのはキーワードだけ
表も裏も、問題文というか、文章は書きません。「聖徳太子」とか「遣隋使」みたいな単語、キーワードだけです。
単語帳は、このキーワードが出てきたらこれ!みたいな連想ゲームなんです。
特に、歴史のテストにおいては、問題文を全部通して読んで答えるというより、問題文の中にあるキーワードに反応できるかが勝負の鍵です。
問題文の中に、「聖徳太子が建てた寺」ってあれば、それだけで「法隆寺だ」ってわかりますからね。
1つのキーワードが出てきた瞬間、関連する語句を連想できるかが大事なんです。
使うときのポイント
上述のように、表からだけでなく裏からも使う、と言うのが1つのポイントなんですが、もう1つ、大事なポイントがあります。
それは、できたシートは抜いていく、ということです。
1回できた問題というのは、2回目以降も解けます。
だから、できた問題、できたシートは、何回もやる必要がありません。何回もやるべきなのは、わからなかった問題、できなかった問題だけです。
単語帳を作って、それを順番にやっていくんですが、表からも裏からも解けたシートは抜いてしまいます。
そして、できなかったシートには、隅っこにバツ印をつけます。そして次の問題に行きます。間違えたシートは、そのまま残しておきます。
もし、2周目でも解けなかった場合、またバツ印を追加していきます。
そうやっていくことで、単語帳のシートがどんどん減って薄くなっていく一方、何回も間違えたシートが残っていくことになります。
こうすることで、自分がどれを覚えてないのか、何回間違えたのか、どこが苦手なのか、というのが嫌でもわかるようになります。
そうこうしているうちに、最後には全部シートが抜けてなくなります。全部なくなる=全部解けるようになる、ってことです。そうなれば、その単語帳は終了です。
作る時点で覚える
上で紹介した、表も裏もキーワードだけで書くやり方をすると、単語帳を作った時点で、ある程度解けるようになっています。
この「キーワードだけ書く、最小限の言葉だけ書く」というやり方は、効率が非常に高いやり方なんです。
書く文字数が少ないので時間の節約になる、ってのもあるんですが、それだけじゃありません。
そもそも、単語帳の元となるようなキーワードだけの組み合わせは、教科書には書いてありません。自分で教科書を読んで、「聖徳太子=冠位十二階、十七条の憲法、遣隋使、法隆寺」というキーワードの組み合わせを考え、単語帳に書き込んでいくことになります。
教科書を読んで内容を脳にインプットし、それを単語帳に書き出すというアウトプットをやっていことになります。この流れは、勉強において非常に効果的です。単語帳を作ること自体、理にかなった勉強方法になっているんです。
言い換えると、他人の作った単語帳をやっても効果はそこまで高くない、ってことです。自分で作るのが大事なんです。
ただ、単純に何かを写しているわけではないので、時間はかかります。写さない=考える時間がかかる、ということになりますからね。単語帳を作るのには、意外と時間がかかってしまうんです。
作ったばっかりなのに、すぐ不要になるのは仕方がない
自分で作った単語帳をやってみると、1周目で正解するシートがそれなりに出てきます。正解するってことは、そのシートはもう不要。抜いてしまうことになります。
時間をかけて単語帳をせっかく作ったのに、すぐに抜いてしまう、作った部分が不要になってしまう。でも、こればかりは仕方ありません。単語帳は、作ってもすぐに不要になるという宿命を背負っているんです。
でもそれは、その単語帳で学習したことが自分の中に吸収された、身になったということです。
また次の単語帳を作りましょう。
単語帳がなくてもノートで代用可能
空の単語帳は、書店や100均に売っています。手に入りやすい・・・とは言え、作るたびに買わないといけないですし、いざ作ろうとしたときに手元になかったら、せっかくやろうと思ってたのに~ってやる気が削がれ、勉強ができないという難点があります。
でも、空の単語帳がなくても、罫線が引かれている普通のノートがあれば、単語帳と同様の勉強法は可能です。
まず、ノートの真ん中に縦線を引きます。そして、左側を単語帳の表、右側を単語帳の裏として書き込んでいきます。
使うときは、右か左を隠しながら、上から順に一行ずつ開けていきます。
こうすることで、ノート1ページだけで単語帳のシート数十枚分になり、単語帳を作るのと同様の勉強効果があります。
慣れてくると、このノート式でやった方が楽です。わざわざ新しい単語帳を用意する必要がなく、嵩張らないしお金もかかりません。
単語帳は、せっかく作ってもすぐに不要になるので、なんだかなぁ~ってなるんですが、ノートならそんなこともあまり気になりません。
単語帳を作ったことがなければ、一度やってみよう
単語帳は、「作るとき」・「使うとき」の2段階で覚えることになるので、予想以上に成果に結びつきやすい勉強法です。ノートでの代用も可能ですが、初めての場合は単語帳を作ってみた方が感覚を掴みやすいでしょう。
これから何か新しい勉強のやり方をやってみようと考えていて、もし単語帳を作ったことが無いようであれば、一度作ってみることをおすすめしますよ。