マニュアルの覚え方

巷には多くのマニュアルが存在します。

標準化された仕事には、当然にマニュアルが存在します。

これをすんなり覚える人もいれば、なかなか覚えられない人も多々います。

「覚えられない、どうやったら覚えられるか教えてほしい」

という質問を受けることがあります。

それに対して「自分で考えた?」って聞くと

「そうじゃなくて覚え方を教えてほしい」と。

覚える=頭を使う

覚える、つまり、自分の頭に入れる。ってことは、その頭を使わないと、どうやっても入りません。

ただ単に本を読んだだけでは、入りません。その典型例が写経です。書き写すくらいでは覚えられないんです。

人間の頭は、インプットするときよりもアウトプットするときに使います。本を読むより、同じ内容を他人に教えようとしたときの方が、大きく使います。このときに、脳は覚えます。

マニュアルを覚えられない人は、自分では考えてるつもりなんだろうけど

「じゃあ覚え方とか考えた?」→考えてない

「なんでこんな手順になってるか考えた?」→考えてない

なんだ、考えてないじゃん、ってなります。こんな感じです。

覚えられない人は、考えてるようで、考えてなかったりします。

「じゃあ、考えよう。」

そうなると今度は「何から考えていいか分からない」となります。(^^;

考えるポイントを考えてみましょう。

理由を掴む、全体像を掴む

マニュアルってのは、何かを達成するために作業を標準化させたものです。

つまりは、「何かしらの目的があって、必要最小限の動きでそれができるように練られたもの」です。

であるからして、一つ一つの手順に、それをする理由があります。

だから、理由さえ掴んでしまえば、思考は必然的にマニュアルと同じ流れにたどり着きます。(マニュアルが練られてない場合は除く)

  • なんでこれをやらないといけないのか
  • これをやることでどんなメリットがあるのか
  • だからこれとこれが必要なんだ

という導き方ができるわけです。

その結果の集合体が、マニュアルです。

そーゆー理由の集合体であるマニュアルに対し、表面に見えるだけの手順を丸暗記するとかは、バカのやることです。仮に丸暗記できたところで、それしか知らないから応用も全く効きません。

特に、対人の場合はイレギュラーも容易に発生するので、手順丸暗記での対応は非効率です。

しかし、その手順。マニュアルの裏にある理由を把握しておけば、イレギュラーが発生してアドリブが入ったところで、本筋から大きく逸れることもありません。

だから、ゆっくりでもいいので、

「なんで?どうして?」

という視点でマニュアルを見てみることが大事です。それだけで変わります。

「理由を考える? そんなことマニュアルに書いてないし」とか言う人は、一生そこに閉じこもっててください。

理由を知るだけで、ミスがなくなる

全てのものには理由があります。

だからそこには、「なんで?どうして?」があって然るべきdせう。

その理由も考えずに、一字一句を覚えようとするのは、面白くないし、無理です。(覚え方を聞いてくる場合、大概このやり方での覚え方を求めてくるけど、それは無理ってもんです。)

そうじゃなく、理由、裏の流れを知る方が、要領よく覚えられます。

そして、得てしてその理由というのは、大して難しいものではなく、「そりゃそうだよね」というレベルです。

クイズ 信号機の色の順番をちゃんと答えられる?

例えば、信号機。

赤黄青の3色、この並び順を即正確に言える人は、意外と少ないんです。

信号には縦と横がありますが、どちらも同じルールです。このルール、理由を1つ知っているだけで、答えは導き出せます。

3色の並び順を全部暗記するとか、効率悪すぎです。

真ん中を間違える人はいないので、「どっちが赤で、どっちが青か」ってことが問題です。

ヒント:信号で一番重要な色は?

答え

信号機の「赤・黄・青」で、一番重要な色は「赤」です。「青」ではありません。

青を見落としてもそうそう事故にはなりませんが、赤を見落とすと高確率で事故になります。だから、赤が一番重要なんです。

で、赤が一番重要なので、赤が一番目立つ位置になければいけません。

日本では、運転席は右側です。左側は歩道です。

歩道側には、標識や街路樹などがあります。これらで隠れる可能性が高いのは、左側です。なので、隠れにくい右側に、大事な色「赤」があります。

縦長の信号の場合は、一番上が赤です。

前方にトラックなどの背の高い車が合った場合、信号機がすっぽり隠れます。そこから一番最初に見えるようになるのは、一番上です。一番見やすい、隠れにくいのは、一番上。だから、一番上が赤になります。

色の順番を丸暗記するより、この理由を1つ知るだけで、全部解けてしまいます。

そして、それを知ってしまえば、そのときだけじゃなく、その後も間違いなく解き続けることができます。理由を知るって、そーゆーことです。

たくさん覚えようとするんじゃなく、覚える部分を最小限にする。要は、できればいいんです。

マニュアルは、簡単な理由の集合体

マニュアルは、この集合体です。

そんな難しい理由が並んでいるわけではありません。一字一句覚えるより、理由を知った方が早いですし、結果として、マニュアルを覚えることになります。

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